4、VBAによるマクロの作成(基礎編)
4−9、セルの書式
セルの書式
セルの書式には、フォントのサイズ、書体、色や、文字の表示位置、セルそのもののサイズなどがあり、それぞれマクロでの変更が可能です。
例10)
※「Example1」〜「Example8」の続きです。
各書式を変更します。
Sub Example10()
Range("A1:E3").Font.Bold = True
Range("B2:E3").Font.Size = 18
Range("A2:A3").Select
With Selection
.Font.Size = 14
.Font.ColorIndex = 50
.HorizontalAlignment = xlCenter
End With
Range("B1:E1").Select
With Selection
.Font.ColorIndex = 5
.HorizontalAlignment = xlDistributed
.VerticalAlignment = xlCenter
.ColumnWidth = 7
.RowHeight =20
End With
End Sub記述後、「マクロの実行」から「Example10」を実行してください。
【このコードの解説】
- Range("A1:E3").Font.Bold = True
これはA1とE3に囲まれたセル範囲の文字のスタイルを太字に設定するという命令です。スタイルの詳しい設定に関してはこのページの下の方に示してあります。
- Range("B2:E3").Font.Size = 18
これはB2とE3に囲まれたセル範囲の文字のサイズを18ポイントに変更するという命令です。単位はポイントでサイズを直接数字で指定します。
- 同じ選択範囲に何通りもの変更を行う場合は、
「With 〜 End With」を使うと便利です。
また、書式を変更する範囲を1度「Select」命令(4−1参照)によって選択すると、その選択箇所を「Selection」という1単語で置き換えることができます。
これらを利用すると以下のような記述ができます。Range("A2:A3").Select
With Selection
.Font.Size = 14
.Font.ColorIndex = 50
.HorizontalAlignment = xlCenter
End With「With Selection」の部分は「選択範囲に対して」という意味で、この「With」と「End With」の間に書いたすべての命令がその選択箇所に対して実行されます。
上の例はA2からA3に囲まれた範囲に対して、「サイズの変更」「文字の色の変更」「表示位置の配置」の3つを行うものです。
また、変更する命令を記述する際、ピリオド(.)から始めることに注意して下さい。さて、変更の命令についてですが・・・
◎「サイズの変更」は前述の通りです。◎「文字の色の変更」は
.Font.ColorIndex = 50
と記述します。これは、選択範囲のフォントの色を色番号50の色に変更するという意味です。主な色番号(ColorIndex)の一覧をこのページの下の方に示してあります。
◎「表示位置の配置」は
.HorizontalAlignment = xlCenter
と記述します。「Horizontal」の部分は「水平」、「Alignment」の部分は「並べる」という意味で、水平方向、つまり横位置の配置を表わします。この値を「xlCenter」にすると、セルの中央に配置されます。
また、垂直方向、つまり縦位置の配置は.VerticalAlignment = xlCenter
という形で記述します。
詳しい表示位置の配置については、このページの下の方に示してあります。
- Range("B1:E1").Select
With Selection
.Font.ColorIndex = 5
.HorizontalAlignment = xlDistributed
.VerticalAlignment = xlCenter
.ColumnWidth = 7
.RowHeight =20
End Withここでは選択範囲に「文字色の変更」「横位置・縦位置の配置」「セルのサイズ変更」を実行しています。
.ColumnWidth = 7
この記述がセルの幅を変更します。単位はポイントで、数字で直接指定します。
.RowHeight =20
この記述はセルの高さを変更します。こちらも単位はポイントで、数字で直接指定します。
書式設定の詳細
【文字のスタイル】
文字のスタイルには、「太字」「斜体」「下線」がありそれぞれ以下のような記述になります。
スタイル 記述 値 効果 太字 Bold True 太字にする False 太字を解除 斜体 Italic True 斜体にする False 斜体を解除 下線 Underline xlUnderlineStyleSingle 下線をひく xlUnderlineStyleDouble 二重下線をひく xlUnderlineStyleNone 下線を解除 例)
◎セルA1の文字の太字を解除
Range("A1").Font.Bold = False
◎セルA1の文字を斜体に設定
Range("A1").Font.Italic = True
◎セルA1の文字に下線をひく
Range("A1").Font.Underline = xlUnderlineStyleSingle【表示位置の設定】
文字をセルの中のどの位置に配置するかを設定します。
横位置、縦位置それぞれに設定します。
方向 記述 値 効果 横位置 HolizontalAlignment xlLeft 左詰め xlCenter 中央揃え xlRight 右詰め xlDistributed 均等割り付け 縦位置 VerticalAlignment xlTop 上詰め xlCenter 中央揃え xlBottom 下詰め xlDistributed 均等割り付け 例)
◎セルA1の文字の横位置の配置を均等割り付けにします。
Range("A1").HorizontalAlignment = xlDistributed
◎セルA1の文字の縦位置の配置を上詰めにします。
Range("A1").VertixalAlignment = xlTop【カラーインデックス】
カラーインデックス(色番号)の主なもの(一部)を載せておきます。
番号 色 番号 色 1 黒 9 茶 2 白 10 緑 3 赤 11 紺色 4 明るい緑 12 おうど色 5 青 13 紫 6 黄色 14 濃い緑 7 マゼンダ 15 灰色 8 シアン 16 濃い灰色